映画ドラマ書き殴り健忘録

主にNetflixで見たやつの感想 ネタバレの宝庫です

映画『シカゴ7裁判』〜ヤバい状況にある時ってなかなかそのことに気付けないのかも。。〜

見ました〜 シカゴ7裁判

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Netflixに入っていながら、まだ見たことがなかった 重いテーマの映画、しかも史実に基づいた作品はなかなか見るのに勇気がいるのよ。

ただ大好きなエディが出てるし、300日のサマーのジョセフゴードン、アリGのサシャ・バロン・コーエンも出てるし、更には監督がマネーボールアーロン・ソーキンですやん はーーNetflix様はお金持ちですな。。。これは見なくちゃな作品ということで重い腰あげて視聴したぜ

 

感想。。。

超よかった!!!!!見てよかった!!!!!コロナ禍でオリンピック開催が危ぶまれる今!!!!え〜オリンピックできるのぉ〜ていう受け止めしかしてなかったちょっぴり他人事だった今!!!!!見てよかった!!!!!私のおばか!!!!

 

はい、あらすじ

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1968年、アメリカ・シカゴの民主党全国大会。当初の予定では平和的に行われるはずだったベトナム反戦デモは次第に激化し、警察との衝突に発展してしまう。7人のデモ主催者は、暴動の責任を問われ逮捕・起訴されることに。そして、歴史に悪名を轟かせる理不尽な裁判が始まる。

この7人がシカゴセブンね。

 

まず私の心を惹きつけたのがオープニング

爽快でレトロポップな音楽に合わせてデモ活動や講演会の映像が流れるのね。これから始まるのは理不尽に立ち向かえば立ち向かうほど先回りされて道を塞がれてしまうウォオォどうすればいいんや!!!が満載の歯軋り物語なのに、よってらっしゃいみてらっしゃい的なノリの音楽がテンポよく流れるのよ。

ほんでオープニング同様、どうしようもなく歯痒い史実をなんとか見てられるのは裁判中にヒッピーであるアビー達が裁判長を茶化したりするジョークや、裁判が進む現在とデモが過激化していく過去とを交互に映像で流していく構成の心地よさがあったから。裁判長に敬意がないと言われた次回の朝廷で裁判官の格好して赴くとか、裁判官とのやり取りとか、爽快だったね。

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あとこの映画にのめり込ませてくれたのは他でもない裁判長の演技力。腹立つしムカつくしでも歯向かえない、憎たらしい役を見事に演じておりましたフランク・ランジェラ さすがです

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調べてビックリしたけど、被告人、裁判長、弁護士、判事らのセリフは実際の記録にあったものそのままなんだって。法廷の緊張感がバシバシ伝わってくるのはそのためかーと納得する反面マジかよ全部本当の出来事なのかよとドン引きしてしまう。

まず初っ端から被告人たちは共謀罪にかけられるんだけど、この7人(最初はボビーも含めて8人)は同じ目的、シカゴで行われる民主党大会に合わせて平和的デモを行うっていう目的で集まっただけで元々の面識はなし。共謀罪で10年の懲役なんて強引にも程がある求刑。

そして8人目の被告人ボビーはブラックパンサー党の委員長でシカゴでの滞在時間はたったの4時間、ちょっと前で演説してただけで逮捕アンド弁護人や代理人はつかず釈放もされずという横暴っぷり。このボビー、おそらくただの黒人要素。。

さらに黒人差別だけじゃなくてヒッピーに対する偏見や差別も感じられる発言が往々にして出てくる出てくる。

被告人たち寄りの裁判員は辞退させるわ、検察に不利な証言や弁護士の発言は記録から削除されるわ、挙げ句の果てには弁護側の証人の主張は裁判員の耳には入れないように指示。

しかもしかもボビーの代理人に途中からなった男性は翌日に警察により射殺。その後の裁判で声を荒げたボビーは拘束され猿ぐつわを口にというとてもじゃないが直視できない衝撃的な姿にされる。これには判事もドン引きでこの件をきっかけにボビーは裁判から外れ、ここから初めて被告人は7人になった。いやまじこのシーンとかアメリカで問題になった黒人男性の警官による射殺事件そのまんまじゃんけ。

 

ここまではアビーを中心に裁判を茶化す雰囲気、こんなの茶番だと馬鹿にする感じがあったんだけど、このあたりから一気にシリアスになっていったな。

 

ほんでデモは平和的に行うべきで、結果として過激化したのは自分たちの責任もあるアンド裁判では印象を良くするべきと思ってるトム・ヘイデン(エディ)と、みんなが勝手に集まっただけで怪我したのだって仕方ないアンド裁判で媚を売るなんて馬鹿馬鹿しいと思ってるアビー(サシャ)の決して交わらない二人の意見。ベトナム戦争終結という、向かう先は同じなのに相反するこの二人を中心に話が進むので、いろんな捉え方ができるなーと思った。監督はこの二人に焦点を当てることで今回の作品ができたんだって言ってたよ。

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平和的なデモにこだわってたトムが、友人が傷つけられてついカッとなってみんなを扇動するような発言をしてたりして。それで最初から後ろめたかったのかなあ。。と思った。それにしてもああいう、後ろめたい後悔する表情と拳突き上げ雄叫びあげる動作がどうしてエディは様になるんだろうね。大好きだよエディ。

でもさ、目の前で友達が理不尽に殴られて血を流しててさ、、それでも落ち着いて平和的に〜なんて言えるか???言えんだろうよ???

 

映画のラストは爽快でしたね〜

裁判に勝つことに目を向けすぎて、被告人やマスコミ、視聴者も忘れかけてた一番の主張、目的に立ち返ったラスト。裁判が始まってから今までのあいだに亡くなった戦死者の名前を読み上げるところでエンドロール。みんなが拳を上げ、声を上げ、哀悼の意を表明する瞬間には鳥肌立っちゃいました。

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映画を通して思ったこと。こんな裁判あり得ないのに有り得てるわけだし結局ベトナム戦争も10年も続いたし歴史は過ぎた後でしかその狂気に気付けないってこと???という恐ろしさ。。

ミャンマーで今起こってる出来事もきっと同じようなこと。。日本でも共謀罪は存在するし、似た出来事が起きない保証はないのかも。私が気付けないだけで、令和3年の今起こってる出来事って、普通じゃないことなのかもしれない。

政治に興味がないとかあるとかじゃなくてもっと主観で世の中を見たり主張をする必要ってあるんだろうな。

もしオリンピックできたとて、後から振り返ったら『なんであの時オリンピックしたねん』ていう未来になってるのかもしれんのよね。。

もうさ、オリンピックできませんでしたけどお金もないんですわみんなで助け合ってなんとか立て直していきましょうやって正直謝るのが一番やと思うんやけどどない。

 

話それたけど、この映画は公開日が2020.10月と、まあ完全にアメリカ大統領選に向けて作られた映画でして。時代を超えても変わらぬ出来事が起こっていたアメリカで、この映画はどう受け止められたんでしょうね。トランプ大統領時代が終わり、民主化へと何とか軸を戻そうとしつつある今、分断したアメリカはどうなっていくんでしょうかね。わからんね。

日本も他人事ではなくて、自分もそうだけど民主主義国なのに基本的な議論が下手な国民が増えてきて、支え合う、受け止め合う、わかりあうっていう行為ができているのかどうか。気をつけよう〜

 

そういう面でもこの映画はバラバラの被告人が理不尽な裁判に立ち向かう中で主張をぶつけ合い、最後には綺麗にまとまるという民主主義の最たる姿も表してて、もうほんと、グッ。。。!ってかんじでしたね(突然の語彙力のなさ)

 

こんな裁判がもうにどとない世の中になってほしいなー(語彙力がいきなり逃げたのか????????)

いや〜 いい映画でした

エディカッコよかったっす