映画『グリーンブック』〜人を変えるには勇気が必要〜
やっと見れたよ〜
アカデミー賞の頃からどう考えてもグッド映画臭プンプンで面白そうだったからちょー見たかったんだけどなかなか見れなかったやつ
とりあえず感想
最高でした❤️🔥
黒人差別をテーマに描いた作品なんだけど、2人の友情に焦点を当ててるからどちらかというとエンターテイメント作品。実話にしてはユーモアとドラマチックな展開に溢れていて見ていて幸せな気持ちになれる映画でした。
というより、人種差別の映画と言われてもうーん???とちょっと違和感が残る。それがテーマ?なのか??というしっくりこない感じ。
そこら辺はまた最後の方にまとめよ。
ちなみにいい意味の違和感です。
制作にはトニーの息子が関わってるらしい。なので事実からあまりにもかけ離れた描写はなささそう?それにしても親族が入ってもこんなにも楽しい映画が仕上がるなんて本当に2人は仲良しだったんだな〜〜 はあ、すてき。
はい、あらすじ
舞台は1962年、アメリカではまだ黒人差別が根強く残っていた時代。特にジム・クロウ法というはちゃめちゃな黒人差別法があるのがアメリカ南部。そんなところへコンサートツアーを決行することにした黒人天才ピアニストのドクター・シャーリーは、イタリア系白人で用心棒兼運転手のトニーを雇う。お互いに多くの時間を過ごすうちに、2人は次第に人種を超えた友情を築いていく。グリーンブックとは、1950~60年代に人種差別の激しかったアメリカ南部を旅する黒人のために製作された施設利用ガイドブックのこと。
はいここからネタバレ〜
物語はトニーが用心棒として務めていたクラブが休業するため、2ヶ月の間仕事を失うところからスタートする。更にはその仕事を辞めるまでの間にすでにトニーの口達者な様が描かれている。
彼はその口から出まかせなところから、仲間からはリップ、と若干揶揄されるようなあだ名をつけられている。本人もほんとはちょっと嫌そうに見えたけど気のせいかな。
仕事を無くして家にいる間、修理か何かで黒人の雇われ人が家を訪れるのだけれど、トニーは彼らが口にしたコップを丸々ゴミ箱に捨てる。それを拾う奥さん。対照的な2人の姿が印象的なシーンだった。
実際のトニーもツアーに出る前は差別主義者だったと言う。シャーリーと出会ってからは、人が変わって差別がいかによくないか息子たちにも教えを説くような人間になったのだとか。
ある日、トニーが用心棒として問題を解決するのが得意だという噂を聞きつけたシャーリーは、トニーを雇いたいと申し出る。まあ正確にはまず面接があるんだけど、トニーはやはり黒人に対するイメージはよくないまま。更にはチャイニーズ、アジア系にも決して態度が良いとは思えないし、ドイツ人に対してはナチスがどうの。。。確かに、とにかく差別主義者だな。
しかし背に腹は変えられないトニーは2ヶ月のツアーに同行することを決めた。
これ、実際は2年だったらしい。ながい。。仲良くなってよかったね笑
最初のコンサートの前、シャーリーはトニーの立ち振る舞いを上品にするよう伝えるがトニーは聞き入れない。ただ、そこで初めて聞いたシャーリーの演奏が天才的だということだけは彼にもわかった。
不躾な態度を続けるでたらめお喋り不良おじさんトニーだけど、いかんせん曲がってなくて超素直。だから見てるこちら側も気持ちよく見ていられる。
個人的には、シャーリーの方が苦しくないその性格?!となる印象の方が強かった。それは時代背景や彼の人生を考えるとそうならざるをなかったというのもわかるのだけれど。
その上品で高貴な振る舞いに、生きづらさを感じたのはトニーも同じく。ツアーは無事に進むのだけれど、どことなく彼が楽しそうでないことに気づく。
でもトニーもトニーで、テキトーな性格だから途中で寄った土産屋?で売り物だった翡翠がたまたま落ちてるのを拾ってポケットにしまっちゃう。シャーリー的にはそういうのナイ、もうダメ。返してきなさいと諭す。ちゃんと言うこと聞くトニー、まあ聞いたふりだったんだけど偉いよね。そういうとこ多分みんな好きよ。
場面が進んで、多分見ていたみんなが好きなシーン、ケンタッキー州でケンタッキー食べるシーン。わー私もこれやりたすぎる笑
食べれないと拒否するシャーリーにトニーから名言。働く時は働き、笑う時は笑って、食べる時はそれが最後の食事だと思って食べろ。何事も100%でやれ。いいことばだね〜
黒人はみんなフライドチキンが好きだろっていう偏見丸出しのセリフに嫌悪感を示すシャーリーに、おいおい怒るなよ俺はイタリア人がみんなパスタ好きなんだろって言われても気にならねえみたいなこと言うトニー。そういうとこ、ほんと好きよ。
この食事のシーンを通して距離の縮まる2人。
ぽいって外に骨投げるの楽しそうでかわいい。
トニーが調子に乗ってドリンクまでポイ捨てしたのに対してはきちんと叱るシャーリー。お母さん。
あと、奥さんに言われた通り手紙を出し続けるトニーに、ロマンチックな書き方を伝授するシーン。素直に受け入れるトニーもかわいいしだんだん素敵になっていく手紙を読んでうっとりする奥さんもかわいすぎ。
長旅を通じて徐々に距離の縮まる2人、一方で南部に向かうにつれて色濃くなる黒人への差別や偏見。
シャーリーはゲストなのにトイレを使わせてもらえなかったり、一方で黒人専用のホテルでも異端扱いされ、バーに立ち寄っただけで暴行にあうという辛い現実にぶつかっていく。
またシャーリーは実は同性愛者であるというシーンもあった。それが原因で、相手の方と共に丸裸にされて刑務所に入れられたところをトニーが助ける。
本当のシャーリー自身も同性愛者だったと言われている。今よりはるかに理解のなかった時代、黒人であり同性愛者である彼には葛藤がつきなかったのでは。。。
そんなシャーリーの姿を見て、トニーは理解できない。彼の演奏をこぞって聞きにくる観衆たちが、演奏が終わった外では彼を異端として扱う。その奇行が理解できない。黒人差別云々ではなく、辻褄の合わないその行動の意味がわからない。更にそのモヤモヤはシャーリー自身にも向かう。なぜ彼は黙っているのか。普通にすごしていれば、高級な部屋で高価な食事をもてなされる北部で演奏すれば、こんな危険な目には合わなかったのに、なぜ南部でのツアーを決行したのか。
あるとき、警察に車を止められ、身分証を見せるよう要求される。その警察のイタリア人である自分を馬鹿にする態度にブチギレたトニーは思わず警官を殴ってしまう。たちまち刑務所行き。ついでに夜に出歩いていたという理由だけでシャーリーも牢の中。
ケネディ大統領の弟というレベ高人物に助けてもらって事なきを得た2人。これも実話なんだって。
その帰りの車の中でシャーリーは、暴力はいけないとトニーを諭す。本物の勝利は品位を保つことで得られる、と。それがシャーリーの戦い方なんだね。
でもまだトニーは納得できない。そんなんじゃスッキリしないもん!って反論し続けて、高貴で金持ちのトップにいるシャーリーよりもよっぽど俺の方が黒人だ、黒い世界の中にいるから!と配慮のカケラもないことぶっ放す。言うねえ!!!!
これにはシャーリーブチギレ。ブチギレ彼女がいうセリフあるあるの車止めて!!が出る。
こういう時だいたい雨降ってんね。
それでシャーリーは言うのよ。
私は独りで城住まいだ。金持ちは教養人と思われたくて私の演奏を聴く。その場以外の私はただのニガー、それが白人社会だ。その蔑視を私は独りで耐える。はぐれ黒人だから。黒人でも白人でもなく、人間でもない私は何なんだ?
いや、長々となったけどここよね。
ここへのアンサーこそがこの映画のテーマだよね。
黒人とか白人とかそういう簡単な話じゃない。
簡単な区別ではない、差別に苦しみ自らの手で道を切り開いてきた、自らを保ってきたシャーリーの魂の問い。
自分は何者なんだろう、
孤独に戦い続けてきた男の、震える問いかけこそがこの映画の意味するところ。
って腑に落ちた、ここで。
結局次の日がラスト演奏なんだけど、ここでも差別的な扱いをされてもう2人とも我慢ならずに投げ出しちゃう。
ツアーは最後までやり切らないとお金が出ない契約。
もうそれでもいいと飛び出して黒人でも食事ができるバーに行き、そこで最高の演奏を見せるシャーリー。
そこには初めて楽しそうに鍵盤を弾くシャーリーの姿があった。
ウイスキーがピアノに置かれてたりする小さな演出かっこいいよね〜
最後はなんとかクリスマスイブに間に合って、シャーリーもトニーの家でパーティを楽しむ。
そこで初めて会った奥さんがシャーリーにこっそり、手紙をありがとうと言うの。このラスト、最高にかわいい。2人ともいい笑顔すぎて、確かに奥さん最初からわかってる風だったもんね。
てかこのひと超かわいいよね。。。!!!
いいラストだったしストーリー展開もサクッとしてて超良かった。語彙力ぅ
最後、シャーリーがトニーの隠し持ってた翡翠を大事に扱うシーンも良い。細かな伏線回収。ドラマチックだったねえ。
久しぶりにすっきりとした映画見れたな。
良い映画でした。
よし、終わるぞ!!!!急